スピーカーほどではありませんが、オーディオ機器の設置方法も音質にたいして無視できない影響があります。
一般的には、頑丈な水平な台に載せるのが好ましいです。安物の家具のように、中身がすかすかの素材(フラッシュ構造といいます。家具の重量を必要以上に重くしないためには、必要な技術です。)の上においては、しまりの無い音になってしまいます。同様の理由で、他の機器の上に重ねておくのも、好ましくありません。私も設置位置の制限からそういう設置になっている部分もありますが、できれば避けたい事です。
オーディオ専用のラックとして販売されているもので、ある程度の重量のものであれば、基本的に大丈夫だろうと思います。勿論、より高額になりますが、音質対策を行ったモデルもあります。(高価な製品がすべて価格なりの価値をもっているとは限りませんが)予算に応じて選択してください。5万円のアンプを10万円のラックにおいても、あまり意味がありませんので。
また、CD PLAYERのように回転系を持つものは平行を保つのも大切です。DIY店で数百円で購入できますから、水準器などを持っていても便利でしょう。
そのほかに気をつける必要があるのは、放熱の問題です。
特にアンプのように発熱量が多いものは注意が必要です。アンプに限らず、天板に放熱用の穴がある機材は、上に機材を積み重ねて放熱を妨げるような事の無いようにしましょう。ラックに入れる場合、上の棚板との間に10cm以上の間隔をあけておくと、安心できます。裏板の有るラックは、熱の流れが阻害されていないか確認してください。アンプの上の空気が熱くよどんでいたら、危険信号です。ホコリよけの意味はありますが、アンプの前面のガラス扉などは、あまりお勧めできません。
真空管アンプは発熱量が多いので、ラックの最上段など、放熱の心配が無いところに設置するのが良いでしょう。
ラックは、最近は箱状のものよりポール状の支柱のシンプルな外観のものが流行っているようです。これらは(強度が充分に取れていれば)音の反射面や共振する部分が少ないメリットがあります。すでに、箱型のラックを使っている人は、ラックの内側や外側にMINI SONEXやフェルトなどの吸音材を貼る事により、ある程度の対策が可能です。
棚板の裏側に吸音材を張ると、棚板間での共振も避けられますので、特にスピーカー近くにラックを設置している場合等は検討してください。意外と音質に影響が大きいのです。
私は、無難にQUADRASPIREのラックを使っています。ちょっと高いようにも感じますが、インテリア的な美しさがありますし、高級な家具からみればよほど安価ともいえます。ものによっては20年以上使用しているので、元は取りました。
オーディオボード、インシュレーターによっても音質改善が見込めますが、こういったアクセサリ類に凝る前に、最低限、スピーカーの位置調整、電源の極性管理、接点の洗浄は行ってください。
インシュレーター類は、大雑把に言うと、素材のイメージどおりの音がするといわれる場合が多いようです。木材はナチュラル系、金属でも真鍮は音に輝きが、アルミやステンレスは高解像度といった風にです。実際、それらの素材の固有振動が音に影響を与えるので、案外、正しいたとえなのかもしれませんし、私の印象とも大きく異なってはいません。
私の経験では、DAコンバータの振動対策は大きな効果がある場合が多いです。想像ですが、クロック用の水晶発振が、外部振動による影響を受けやすいのではないでしょうか?プロジェクターの振動対策による画質改善も無視できないものがあります。プロジェクターは、内部にファンを持ち、それ自体が振動源となりますからね。
3点支持、4点支持でも音の変化があります。これも実際に音の変化を実験して試して見るのが良いでしょう。機材の重心を考え、それぞれの足に出来るだけ均一な重量が掛かるように考えるとか、機材の裏板の強度の有る部分にインシュレーターを設置するなど、いろいろな考え方があります。
平面は3点で決まるので3点支持のほうががたつきが無く安心できますが、特にスピーカーなど、機材の重量や重心、大きさによっては3点では不安定な場合がありますので、そのときは4点支持にしてください。
BLOG MASTERはオーディオアクセサリ類にあまりお金をかけられなかった学生時代、東急ハンズで入手できる木材のサイコロや金属のコーン、ブチルゴムなどで実験しましたが、最終的に、よく設計されたオーディオ専用のアクセサリーには遠く及びませんでした。(出来の悪い市販品と比べても無意味です。)
アクセサリ類は、店頭で効果の視聴など、なかなか難しいですし、モノによっては安い買い物ではありませんので、慎重に選択しましょう。オーディオ再生にとって必須のものではないので、繰り返しになりますがセッティングをしっかりしてから、最終的な音質調整のために利用しましょう。
私は、手の込んだアクセサリーは高価になるのは仕方ない事を理解したうえで、あまりに高額なアクセサリーを薦める販売店には不信感を持っています。
コメント