音質改善:バイワイヤリング接続方法と導入のメリット

バイワイヤリング接続 AV FAQ
バイワイヤリング接続用にスピーカー側の端子が2個あるケーブルによるバイワイヤリング接続

バイワイヤリング接続の接続方法や通常接続の音の違いについて考えてみましょう。

バイワイヤリング対応のスピーカーとは、たとえば2WAYのスピーカーの場合、スピーカー端子がツィータ用とウーファー用に分かれていて、ツィータとウーファー用にそれぞれスピーカーケーブルを接続できるようにしてあるものです。一方、アンプには、バイワイヤリング対応 の条件ないので、どんなアンプでもバイワイヤリング接続を楽しむことができます。

バイワイヤリング接続
スピーカー1本あたり、1本のスピーカーケーブルを使用したバイワイヤリング接続

この図のように、ツィーターとウーファー、それぞれ別の独立したスピーカーケーブルで接続するのがバイワイヤリング接続です。アンプ側のスピーカー端子は通常1組ですから、アンプの端子には2組のスピーカーケーブルを接続し、それぞれのスピーカー端子につなげます。バイワイヤリング接続対応のスピーカーは、2組のスピーカーケーブルを使用しなくても音が出せるよう、通常はツィータとウーファーの端子間を専用の金属板か金属棒(バスバーと呼ばれています)で導通しています。バイワイヤリング接続をするときは、このバスバーを取り外します。

スピーカーケーブルのバイワイアリング接続が流行りだしたのは、1990年代後半以降のことだったと思います。私の記憶では、CelestionのSL600や700の改良バージョンといった当時の超高級小型スピーカーで導入されたのが印象的でした。日本国内では東芝が実用新案を出していました。

バイワイヤリングにより、スピーカーの高域部分と低域部分の相互干渉を減らすことが出来るのがメリットといわれています。ウーファーのボイスコイルによる逆起電力がツィータに与える影響を低減できるという話です。私の経験でもバイワイヤリング接続をした場合、高域の解像度や透明感の向上などの効果を経験しています。かといって、バイワイヤリング接続しなかった時の音が駄目というわけではありません。

一例を挙げると、Sonus Faber社のminimaは、1990年発売のオリジナルはバイワイヤリング接続対応のスピーカーですが、2008年にリプロダクトとして発売された復刻版のminima vintageはシングルワイヤリング接続専用になっています。このことからも、単純にバイワイヤリング=高音質や上級モデルという事ではないと、理解していただけるのではないかと思います。

一方、すでにバイワイヤリング対応のスピーカーを所有していて、現在は、シングルワイヤリングで使用している人が、バイワイヤリング接続による音質改善の効果を知りたい場合、まずスピーカー1本で実験することをお勧めします。音を出さない片チャンネルのスピーカーケーブルを利用すればよいのです。アンプ側の接続は工夫してください。銅線そのままかYラグならばなんとかなるはずです。これならコストもかかりません。モノラルのほうが音の変化はわかりやすい事もあります。

バイワイヤリング接続する前にスピーカー1本でシングルワイヤリングで音を聴いたのち、スピーカー1本バイワイヤリングを試して音質の変化を確認しましょう。良い方向に変化するのであれば、一番簡単なのは、今持っているスピーカーケーブルと同一のものを同一の長さ買い足して、バイワイヤリング接続にするとよいでしょう。

大きな差が確認できず、引き続きシングルワイヤリングでスピーカーを使う場合も、ツィータとウーファーの端子をつなぐ棒状の金属(バスバー)をそのまま使わず、良質のジャンパー線を使うと音質的にメリットがあるかもしれません。一番簡単なのは、現在使用しているスピーカーケーブルを10cm少々切り取って、それをバスバーの代わりに利用するのです。別に用意する場合は、現在使用しているスピーカーケーブルと同等か、もう少し性能の良いものを選んでください。

音質改善のための第一歩は、スピーカーケーブルの末端を正しく処理して、接触抵抗を減らし、長期的に安定した接触を確保することろから始まります。

バイワイヤリング接続
バイワイヤリング接続用にスピーカー側の端子が2個あるケーブルによるバイワイヤリング接続
バイワイヤリング接続用スピーカーケーブル
1本でバイワイヤリング接続可能な様に自作したスピーカーケーブル

こちらは、1本のケーブルの中に2組の+/-線を組み込んだバイワイヤリング接続ケーブルです。
下記のリンクでこのタイプのバイワイヤリング接続用のケーブルの作り方について説明しています。

スターカッド線を利用したバイワイヤリング対応ケーブルの制作例
バイワイヤリング, バナナプラグ, Yラグ, スペードプラグ, 日立電線, LC-OFC

高音質のバイワイヤリング接続対応のスピーカーケーブル AudioQuest Rocketシリーズ

左右にスピーカーケーブルを2本ずつ使ってバイワイヤリング接続する場合、同一ケーブルを使うべきか?というのが難しい問題です。高域用と低域用で求められる特性は異なる気もする一方、あまりに音質のキャラクターの異なるケーブルを混在させると悪さをするのではないか?という気もします。例えば、別ページで紹介しているAudioquestのバイワイヤリング用のケーブルは、高域用と低域用で異なる線径の銅線を使用しており、メーカーのノウハウが組み込まれています。

Audioquest のダブルスタガットスピーカーケーブル Rocket44 / Bedrock の末端処理方法
Audioquestのスピーカーケーブル BedrockやRocketシリーズの末端処理の方法について解説しています。

個人的には、後々の不安を感じるのであれば、同じケーブルを同じ長さ使うのが良いと思います。

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