珍しい陶器製のエンクロージャーのフラゴンで有名なジョーダンワッツ社の フラッグシップモデルが、このステレオラです。ステレオラには、大別して2つのモデルがあり、私が所有するタイプは、D.P.S.100という型番です。
アンサンブル型(左右一体型)のキャビネットに高価なモジュールユニットを8本使用し、そのすべてを天板と側面に配し、リスナーには反射音を聞かせるという風変わりなシステムです。キャビネットはバスレフ型でバスレフダクトは底に配置されています。古い資料を調べてみたところ、1969年に輸入された時の日本国内の定価は36万円と、かなり高価なシステムです。(1969年当時の大卒初任給は26,430円くらいだそうです)
反射音を利用するシステムなので、設置位置近くは空間を広く空ける必要があり、設置には充分なスペースの確保が必須です。キャビネットも幅があるので、普通に2本スピーカーをおくよりは場所をとりるでしょう。
ソースも相当選びます。再生レンジもかまぼこ型です。音は万人向けではないが、音楽にはまった時には魅力的なふわっとした音場が広がる… 天井からの反射音は、一種独特のよさがあります。バロックの協会音楽など、最高ですね。
私は、音場再生型のスピーカーには興味がありましたが、視聴会などで聞くそれらの音は、音像定位が不明確で違和感を感じることも多かったのです。ところが、ステレオラはアンサンブル型のスピーカーで、中央に全帯域用ユニットを配置しているため、センターに明確な定位があります。ステレオでありながら、モノラル的な音の出し方をするスピーカーです。その点が私に好ましかったのかもしれません。
1966年の英国のカタログには、巨大な反射板のステレオラが紹介されていました。
D.P.S.100の型番が、Delayed Phase Stereophonic から来ていることが判ります。左右4本ずつのスピーカーユニットは、単純に接続されているわけではなく、ネットワークで帯域と位相をコントロールして接続されています。


実物を見たことは無いのですが、こちらのステレオラは上段と下段の2ピース構造。上段の反射板のある方は側面にツィーターとモジュールが2個、下段は前向きにモジュールが2個搭載されているそうです。
コメント
なかなか風変わりなシステムですね。天板のSP3本と側板の1本で片チャンネル分ですね。ユニットの配線は2本ずつ直列に繋いでそして、それを並列に繋いでいるのでしょうか。
各ユニットは、ネットワークで帯域分割されて4ユニット4WAY動作をしています。
単純な、シリパラ接続ではありません。
YAS 様
初めてブログを見せさせていただきました。ブログへの書き込みでなく、できればメールを差し上げたいと思っているのですがここに記入してよろしいでしょうか?
実は私はジョーダンワッツのGTを所有していますが、このユニットに惚れ込み全てのオーディオをジョーダンワッツを楽しむために揃えました。趣味が嵩じてついにステレオラのエンクロジャーが雑誌「ステレオ」の売ります欄に載ったのを幸いに京都の家具屋さんと言われる方から購入しました。しかし、エンクロージャーを眺めるうちに家を選ぶシステムであることを理解しました。最低、リスニングには10畳は必要だと思いました。そこで何年か後にログハウスを建ててリスニングルームを確保したつもりでしたが、家が出来上がるとすぐに空白が埋まり、設置できるスペースが圧倒的に不足になりました。
ユニットを購入するつもりが決断に至らなく現在に至っています。次第に年をとるとあれだけ好きな音楽にも関心が薄れ、現在、このエンクロジャーを売却したいと考えています。そこでまず、お聞きしたいのはステレオラが欲しいと思う層は現在もあるでしょうか?大変不躾で失礼だと思いますがその辺を教えていただけると大変助かります。住所:鹿児島県薩摩郡さつま町 出身は横浜です(ブログに横浜の話題がありますね)。メルアドkomatsu@aurora.ocn.ne.jp よろしくお願いします。情報も少ないので届いてくれたら嬉しいです。
コメント頂きましたが、私は販売関係者ではないので、ご質問にお答えできません。
個人的にも、既にオリジナルのシステムを所有しているため、2セット目が欲しいとも思いませんし。