システムに合わせて複数のスピーカーケーブルを使い分けていますが、その中でもKimber Kableの製品はお気に入りの一つです。色付けが少なく、レンジ感も解像度感もしっかり出ていて、軽く柔らかくて取り回ししやすいのもメリットです。最近ではヘッドフォン用で有名ですね。
一部のスピーカーケーブルは日本市場でも切り売りされていて、安価に自作することができますが、工作方法の難しいケーブルなので、簡単に作業方法を公開します。

写真は自分で末端処理したKimber 4TCの旧モデルです。このあと、バナナプラグのはんだ付けした箇所を熱収縮チューブで処理して見た目を良くしています。
- 編み込まれた先端を5~10cm位の範囲でほぐします。これ以上ほぐさない場所をテープか熱収縮テープで固定すると良いでしょう。私は7cmくらいにしています。
- ほぐしたケーブルの先端をワイヤーストリッパーで5~10mm程度被覆を取り除きます。
- ほぐしたケーブルの根本からHOT/COLD用のケーブルをまとめるように撚ります。銅線の先端部を直接触らないよう、メガネクリーナー用のクロスを使っています。
- 先端は銅線の長さが多少不揃いになるので、ニッパーなどで切りそろえ、スペード端子やバナナ端子で処理します。私はバナナプラグをはんだ付けしました。
HOT/COLD側は色違いなので見分けるのは簡単なはず。写真で正しい接続方法を確認してください。
ケーブルの表面には方向を管理できるような文字はありませんが、向きによって結構音が違うので、実際に耳で聞いて確認してください。反対にすると、音像が散漫な感じになりました。
現在はテフロン被覆の4TCとPVC被覆で標準モデルの4PRが切り売りで購入できます。新型の赤黒被覆の4PRは、異なる線径の導体を複合した銅線を採用しており、従来の茶黒被覆の4PRからバージョンアップされており、旧製品で現在はカタログから消えている4VSの仕様に近くなっているようです。
新型の4PRは試したことはありませんが、私としては絶縁体にテフロンを使用している4TCを勧めます。高域の伸びの美しさと、全帯域におけるS/N感が違います。私は一部のサブシステムで4TCを使用しており、メインシステムの交換用スピーカーケーブル(スピーカーとアンプの組み合わせによってケーブルは使い分けています)に導体面積が倍の8TCを採用しています。4PRはAVアンプ用です。
4TCの現行モデルの特価品、お買い得だと思います。
普及モデル 4PRの新型
ワイヤーストリッパー無しではKimberの末端処理は大変です。そして、ワイヤーストリッパーはVessel一択です。
Kimber 8TC 癖が無く、ほぼ万能的に思っていましたが、以前、Sonus FaberのElecta Amatorを鳴らすのに何種類かのスピーカーケーブルを実験していて、Kimber 8TCは、素っ気なさすぎるつまらない音になり驚きました。そこで、太い音の出るAudioQuest Bedrockに変更すると、音に厚みと色気が出てきて、Sonus Faberの本領を発揮する音が出て、やはりスピーカーケーブルの相性は無視できないな。と、驚いたあとで、お値段が一桁違うCHORD CampanyのSignatureを使用したところ、Sonus Faberの音の厚みと色気がしっかり出たまま、驚くほどハイファイ的な音が出て…
スピーカーケーブルでここまで変わる体験は初めてだったかも…
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