ヴィンテージオーディオの 修理 と メンテナンス のお話。ちょっとUpdate。
写真は1960年代の英国の代表的なオーディオメーカー、LEAK社の真空管式ステレオアンプ Stereo20をプロにメンテナンスしてもらった状態です。
このアンプは、出力段に6BQ5/EL84のPushPullを採用した、英国の標準的な構成の家庭用ハイファイアンプです。出力10Wx2。両チャンネルで20Wあることが、型番の由来でしょう。標準的な の、意味は“基準となる高品質”という意味であって、安物の意味ではないので、ご注意を。余談ですが、直熱3極管シングルのような出力ととれない構成の真空管アンプは、比較的最近のブームです。
この記事を書いた時期からみると、40年も昔のアンプですから、音が出ていたとしても、そのままでは部品の経年劣化で、半分壊れているような状態で、本来の音質は望むことができません。それどころか、コンデンサがDC漏れを起こして、スピーカーを壊してしまったり、耐圧の落ちたコンデンサが原因で発火する危険性もあります。個人間売買や技術のない店の現状販売品をそのままつかうのは、非常に危険な行為です。
40年もたてば、どんな電気製品でも壊れてしまいます。かりに、音が出ていても、正常な状態ではありえません。完全オリジナル部品にこだわろうにも当時と同じ部品はありません。とはいえ、どんな部品で直しても良いというわけではなく、オリジナルで使っていた部品と音質的に近いものや、十分な安定性を持ったもの。また、それなりの佇まいをもった部品を使うべきではないでしょうか?これが、ヴィンテージ機器を使うときの難しさのひとつです。
懇意にしている、ヴィンテージオーディオ業者に依頼して修理してもらったのがこの写真です。もちろん、許可をもらって公開しています。
非常に良い部品を使ってメンテナンスされています。秋葉原を一日、足を棒にして歩いても、これだけの部品はそろわないはずです。ちゃんとしたパーツを持っていて、技術力のある業者に修理を依頼するかどうかで、出来上がりがぜんぜん違います。もちろん、音質もです。
このクラスのパーツをそろえることは、今の秋葉原では不可能。また、ほとんどヴィンテージオーディオ取扱店では、この程度の修理はできないので、ご注意を。
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