メタバースヨコスカ宮武一貴トークショー に行ってきました。

COMICS/ANIME
メカデザイナー 宮武一貴さんのトークショーに行ってきました。マジンガーZエンディングの透視図に科学の片りんを感じ、理系に進んだ私にとっては、神のような方です。なお、アニメで使用されたものは、宮武一貴さんが永井豪版の画を元に書いた透視図をもとに、アニメーターがアニメ版準拠のデザインに直して手書きで描いたもの。宮武先生は、今も、手書きで線が波打っていることに対して、不満を感じている様です。
司会進行役はスタジオぬえのシナリオライター 森田繁さん。旧知のお二人。流石シナリオライターの森田さん、見事にいろいろな話を宮武さんから引き出してくださりました。2時間があっという間でした。
今回はメタバースヨコスカで、みかさロボをデザインした流れで、記念館三笠内の講堂でのトークショーです。歴戦の勇者といった雰囲気のベテランマニアの方(オタクという蔑称が広がる前は、SFマニア、アニメマニアという呼び方が一般的だったのです)も多数参加していました。
みかさロボの原案。CGになったものとは少々異なります。
 
 
 

 
三笠の船体を3枚におろし(本人談)ロボットのパーツに切り分けているところ。デザインのキーポイントの一つ、胸に来る菊の御紋章と左手に来る衝角(ラム)が、分割しているのが判ります。
 
ところで宮武さん、この話が来た時に、「ついに来てしまったか」と思われたそう。まあ、他に依頼すべきデザイナーは居ませんよね。
 
色々な興味深い話の中で、宮武先生が師匠筋と意識している小沢さとるについてコメントがありました。なんと、鉄人28号のデザインは横山光輝ではなく、小沢さとるの手によるものだそうです。連載が進んでいるにもかかわらず、28号のデザインが決まらないことに切羽詰まった出版社の編集者が、たまたま横山邸に遊びに来ていた同業者の小沢さとるに依頼し、それを横山光輝にのませた。という流れの様です。
 
宮武一貴さんは、「(仮に小沢デザインが出なかったとしても)横山光輝先生から同種のデザインは出来たであろう。ただ、他人であればこそできるデザインもある。それがデザイナーという職業。」というコメントがありました。横山光輝批判にならないように、最大限言葉を選びつつ、小沢さとるがメカニカルデザイナーの先駆けであったことについて、会場の人に知ってもらいたかったのだと思います。なお、ブラックオックス等の鉄人28号に登場する他のロボットのデザインは、横山光輝の手によるもので、鉄人28号のみが小沢さとるの手によるものだそうです。
 
今であれば、デザイン協力といった形で、小沢さとるのクレジットを出すこともできるでしょうが、当時はそういう考えもなく、横山先生は小沢先生に対して申し訳ない思いを持っていたようで、その事もあって、鉄人28号の単行本を出していなかったそうです。横山光輝からの提案で新たな巨大ロボットものを共作として作成することにより、小沢さとるにも権利がある作品を立ち上げることになりました。それがジャイアントロボです。実は、電話で権利関係の会話をしているとき、宮武一貴さんはたまたま小沢さんと同席しており、両者の会話を聞いていたそうなので、信頼できる第三者による貴重な証言だと思います。
 
鉄人28号の連載が、1956年 – 1966年(wikipedia調べ)単行本化された秋田書店サンデーコミックス版の1巻の出版が1970年(古本屋のサイトで調査)、一方、ジャイアントロボの連載が1967年に始まっているので、時間軸としてはあっているように思います。
 
ジャイアントロボは前半は小沢さとるさんの作画でスタートし、当時のクレジットにも光プロ、横山光輝、小沢さとるがクレジットされています。後半は小沢さとるの名前が無くなり、横山光輝のみとなるのですが、今回の話題からは外させていただきます。
 
さて、この漫画版ジャイアントロボ、これはこれで長らく書籍が出なかった本です。1ジャイアントロボ 地球が静止する日を作った今川監督は、雑誌のコピーを製本し参考資料にしていた。という話を当時にアニメ雑誌か何かで見た記憶があります。私のはっきりした記憶は、横山光輝の没後 2005年に下記に引用する原作完全版が出るまでは、横山光輝氏が作画した後半のみ書籍化されていて、前半部は幻と言われていました。当時は、「多忙だった横山光輝氏が作画することが出来なかったので、小沢さとる氏が担当した。横山光輝は自分の作画ではないので納得できず、書籍化を拒否していた」という説が一般的だったようです。
この続きは、横須賀美術館の日本の巨大ロボット群像に行ってから。かな?
 

MODEROIDの鉄人28号とブラックオックス、私も購入して作りましたが、非常に出来が良かったです。

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