スピーカーケーブルを、圧着タイプのYラグで処理したので、ご参考までに、手順を写真でご紹介します。
YラグとかY型端子、スペード端子という呼び方が一般的でしょう。メーカーによってはU型端子とか先開き型端子と呼んでいるようです。
正しく専用工具で圧着処理した圧着端子には音質的にはメリットがあるだけでなく、長期間、接点が錆びることなく安定して使用することができます。
今回使用したYラグはAIRBOWのF5.5/6CRです。6の部分は6㎜幅を意味しています。最近の多くのスピーカー端子は8mm幅のYラグが適合すると思います。この製品は、一般の電気用のY型端子をAETとの技術協力で低温処理して音質を向上させたものだそうです。
今回のスピーカーケーブルは、AETの6N14。現在は生産完了品ですが、安価でよいスピーカーケーブルでした。

先に絶縁スリープを通します。ショートを防ぐために、絶縁スリープはショートを防ぐために、絶対に忘れないで下さい。熱収縮チューブだとより密着して機械的なサポートもしてくれるので、よりお勧めですが、収縮させるためにはドライヤーの温度では不十分で、ヒートガンが必要になります。

ワイヤーストリッパーをつかって、ケーブルの被覆を取り除きます。カッターを使うより圧倒的に作業が早く、被覆を切りすぎて銅線を痛める心配も少ないです。

末端処理をせずに使っていた銅線の先端部。数年でかなり黒ずんでいました。銅線を未処理で使った場合は表面の酸化は避けられません。

信頼できる高品質のロブスターの圧着工具。素人の使用頻度ではありますが、30年以上愛用しており、品質は折り紙付きです。圧着工具で強くカシメます。工具を使う向きは、これが正解です。正しい位置でカシメてください。3.5SQは5.5SQで兼用することが、規格で決まっています。必ず、本製品のように、てこの原理を利用したしっかりした圧着工具を使ってください。一般的なペンチや1000円くらいの簡易的な工具では電工用やオーディオ用の厚みのある金属を用いた圧着端子を充分な力で締め付けることは出来ません。ちょっと高価でも専用の工具を使用しましょう。

絶縁スリープをかぶせて、完成。
音質の変化ですが、酸化した接点を剥きなおしたのですから、音質アップしたのは当然ですが、特に高域の解像度や音の鮮烈さがかなり改善されました。安価なYラグですが、この製品は、かなり高音質(裸線の状態と比較して音質変化が少ない)と思われます。もちろん、長期使用において、裸線よりはるかに安定しています。
AIRBOWのYラグは安価なわりに音質への悪影響が少なく、お勧めできます。
秋葉原の老舗、オヤイデのYラグもお勧めできます。6mm幅と8mm幅の両方に適合しているのが良いですね。
接点保護にオーディオ用のスクワランオイル。酸化防止に絶大な効果があります。圧着前の電線にひと塗りしてもよさそうです。
コメント
ジャンパー線の解説からたどってきました。
詳しい説明ありがとうございます。
逸品館でYラグを購入しておきながらまだ接続していませんでした。
もう少しグレードの高いスピーカーケーブルを買い試してみます。
その前に圧着工具を買わないと。
圧着工具は、一度買ったら、ずーっと有効利用できますし、たかだか4~5000円程度ですから、手に入れておいて損は無いですよ。
いろいろたどりまして、こちらにたどり着きました。
Yラグを試してみようと思うのですが、スピーカーの6mmと8mmはどのようにして、計測すればよいか、ご指導いただけると幸いです。
定規で充分では?
厳密に測定するのであれば、小型のノギスをひとつ持っていると便利でしょう。
ご返答ありがとうございます。
8mmタイプのYラグでした。おすすめの圧着工具とストリッパーも購入させていただきました。
当方初心者ですので、大変参考になりました。ありがとうございました。
スピーカー端子のバリエーションに困る件
私はアンプもスピーカーも複数所有しているのですが、色々困ったことも起きます。 以前も書いたことがありますが、スピーカー端子が仕様として決まっておらず、それにあわせてスピーカーケーブルの末端処理もいろいろなものを用意する必要があるからです。 音質的には接触面積と圧着力を一番強く取れるYラグが一番好ましいのですが、バナナ端子専用の製品や、裸線しかつなげない製品もあります。アンプやスピーカーの元々の佇まいを考えると、安易に端子を交換する事には反対です。 結局、色々なスピーカーケーブルを用意する必要があるのです。 手元の装置を考えると、 アンプは バナナ端子 Yラグ 現在の6~8mm幅のもの。8mmで用意しておけば兼用できる Yラグ 古いネジ式で4mm程度の幅のもの。8mmで代用不可。裸線をからげても良い。 19PIN特殊端子 QUAD 50E専用のもの ノイトリック スピコン 裸線 スピーカー側はちょっとマシで Yラグ(バナナ兼用可能) キャノンプラグ ノイトリック スピコン 特に、ある時期の英国製の製品はバナナプラグの採用が多く、QUAD IIや306はバナナ端子専用。405の初期モデルは裸線に特化したスピーカー端子を採用しています。古い時代のスピーカー端子は、今ほど太いスピーカーケーブルを使わなかった時代なので、ネジに裸線をからげるかYラグを使うとしても、幅の狭いものを、ショートに気をつけて使うしかありません。 一方、ある時期の国産アンプ等は太めの裸線をそのまま接続するのに充分な大型のスピーカー端子を採用していますが(AIRBOW TYPE1)、バナナプラグは使えない場合が多いのです。 私のオーディオシステムで特殊な例を挙げると、LOCKWOOD MAJORは業務用なのでキャノンプラグ。当時の専用アンプともいえるQUAD 50Eの19PIN端子と組み合わせて専用ケーブルを作ってしまうと、50Eで他のBBCモニターを鳴らしたいときに困ります。 なかなか悩ましい問題なのです。 Yラグ処理の方法については、下記のページを参考にしてください。 スピーカーケーブルの末端処理方法 スピーカーケーブルのYラグ処理方法