標準的な音

オーディオの世界に限りませんが、世の中には、他とちょっとかわった特殊な製品というのがあります。ファッションでも車でも、料理でもそうでしょう。そういったものは、世の中の標準的な、基準となるものを把握した上じゃないと正しく評価できないものだと思います。世の中の人が着ている服と、ファッションショーに出てくる服は違いますよね?

さて、オーディオの世界。大小入り乱れておのおののメーカーが好きなことをやっています。特に小さなブランドには独自のこだわり(商売方法?)がありますから、百花繚乱です。

たとえば、物凄く解像度が高く聴こえる製品があったとします。他の要素は全然だめで、バランスもむちゃくちゃだったとしても、聴き手が解像度のみに集中していた場合、それは、完成度の高い製品に聴こえてしまうかもしれません。

突飛なファッションやデザインは、なぜ、突飛とわかるのでしょう?それは、われわれが普段の生活の中で経験し、スタンダードなものを理解しているからです。

オーディオについての標準は、どうですか?

自然界の音が、“解像度が高い”・“低音が豊かな”・“音場感のある” といった、不自然な音がするわけがありません。ただ、私たちの経験上、普通の音がするだけです。

オーディオだけでなく、生楽器の音などを含めた、音に対する経験の積み重ねが、基準を知る事になるのです。そういう意味では、電気的な加工の少ないボーカル等は、基準となる音を探す手助けになるでしょう。

歌の上手な歌手のレコードは、録音時に余り加工されていないでしょう。コンサートなどで、その人の生の声をしっていればベターですが、知らなくても、人間は、人の声の不自然さには敏感です。

ファッションやデザインで例えましたが、これらには流行があって、標準は変化しますが、原音には明確な基準があるはずです。ただし、原音を完全に再生するのは、非常に困難なので、アプローチの方向性などによって、時代時代の流行に近いものは存在します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました